2020
05.23

一部印刷が抜けるAdobe Acrobat DCの謎

Acrobat DC, Adobe, Mac, System, Teleork

テレワーク環境により社内文書の電子化が進んだ。しかし、税務に関する社内文書、いわゆる経費精算などのプリントアウトが必要な書面もまだまだ存在している。その中で一部のPDFだけが部分的に印刷が抜け落ちるトラブルが起こった。

ETC利用証明書PDFをプリントアウトすると抜け落ちる

テレワーク環境に移行する以前は弊社所定の社内精算書にMacで入力し、それをプリントアウトして押印した精算書を領収書類と一緒に経理担当へ提出する。経理担当者から精算の決済がおりると、精算を手渡しで現金が渡されていた。テレワークへ移行後は、クラウドサーバにて社内精算書を共有し、PDF等のデータで送れる領収書やETC利用明細書などは経理担当へメール等で送り、購入先から書面で渡される領収書類は郵送で経理担当の自宅へ送る。経理担当は精算書と領収書類をチェックして決済すると、月末までにまとめた分を指定口座へ振り込む方式にしている。

業務内容的にクルマ等で移動する取材が多いため、弊社社員には会社名義のETCカードを支給している。社内精算につながる高速利用はこの社内ETCカードを使って精算するため、利用証明書のPDFを以下のサイトからPDFで発行する。

ETC利用照会サービス

上記サイトから発行されたPDFが送られてくる。このPDFをMacにインストールされているAdobe Acrobat DCで開いてみると以下の画面のように表示される。

表示されている内容に問題はないが、上記を印刷してみると一部印刷が抜け落ちる現象が起きてしまう。これは以下画像の通りにAdobe Acrobat DCにてPDFを開き、

「ファイル > プリント」から印刷ダイアログを表示

「グレースケール(白黒)で印刷」チェックを入れて自宅にあるプリンタで印刷すると、

このように、一部がすっかり抜け落ちて印刷される。モニターの画面では表示されていたのに以下の赤い囲みの部分が実際のプリントとはあきらかに違って印刷されている。

領収書としての書面としては金額等の税務的に重要な箇所が抜け落ちているワケではないが、経費精算における重要な証拠書類ではあるので抜け落ちない印刷が望ましい。

古いプリンタのせいかと思っていた

テレワーク環境に移行前もこのETC利用証明書PDFをAdobe Acobatから印刷していた。その当時、経理窓口があった本社には大型の高性能レーザープリンタが設置されていて、全社員のすべての書面がそのレーザープリンタで印刷されていた。その環境だと抜け落ちる等の問題は起きていなかったため、まったく気にしていなかった。テレワーク導入以前とはAdobe Acobatのバージョンが現在とは変わってしまったにせよ、本社で印刷する場合には一部抜けた印刷もにはならなかった。ところが、現在はワークフローがテレワークに変わり、かなり古いインクジェットプリンタであるCanon製のMG6230モデルで印刷することになった。そのために今回の現象が起こるようになったのかと思っていた。

さらにだが、一部印刷が抜けるPDFは実はETC利用証明書だけでない。そのほかでも若干ではあるが存在している。共通点は制作元がファイルに保護をかけている、つまりセキュリティがかかっているPDFということだ。この保護されているPDFに限って起きているが、すべての保護されたPDFがなるのではない。保護されたPDFの中で、若干のPDFだけが一部印刷が抜ける現象となっている。

そんな現象が起こっているさなか、たまたまというか、なぜその検証をすることになったのか覚えていないが、Google Chrome.appにてPDFを印刷してしまったことがある。

しかも、Adobe Acrobat DCにて印刷すると一部抜け落ちるETC利用証明書PDFを……だ。すると、抜け落ちないで印刷されたのだ。

これはうれしい!! ……んー、つまりだ、プリンタのせいではなかったといえるかもしれない。ただ、PDF自体がAdobeさんのファイル形式で、そのPDF用アプリがAcrobatなのにそのAcrobatで印刷不具合が出て、ほかのアプリだと不備なく印刷されることにいささかの引っかかる思いが……。

Acrobat以外なら印刷できる!

Google Chrome.appなら印刷できた! しかし、カラーで印刷された。カラー印刷がダメってワケではないが、経費コストの観点から税務的な社内書類はモノクロ印刷にて保管している。Google Chromeのバージョン81の仕様のせいなのか、なぜかモノクロ印刷ができなくて……、きっちり印刷できるかわりに経費コストアップか!? と思っていたが、

「システム ダイアログを使用して印刷…」というボタンを見つけたので、ここをクリックしてみると……、

見慣れた印刷ダイアログに変わったので、普段から各アプリで印刷しているモノクロ設定でそのまま印刷してみた。

やったーーー! モノクロ印刷できた!! あれ?! なんかおしい……。今度は上部が見切れて印刷されてきた。これでは一部抜け落ちよりも税務書類としては不備がある。良い方法だと思ったのになぁ……と思ったのでよくよく印刷ダイアログ画面を見ていたら、用紙の〝縦横〟の設定をしないまま印刷していた。

ダメ元で用紙設定を〝横〟に設定して印刷をしてみると、

おお!! モノクロでちゃんと印刷できた。一部印刷が抜け落ちない書面ができることはテレワーク環境を続けていく上で大事なことだ。さらにモノクロ印刷もできている。やったーー!

しかしながら、PDFファイルを扱う上でAcrobatが使えないのはかなり不便であり、Google Chrome.appでのPDFファイルを開いたり、印刷でのダイアログをいちいち変えないとモノクロ印刷ができない……などでは作業性が正直悪い。そこで、ふとMacに標準にインストールされているプレビュー.appでもPDFを印刷できることを思い出して、プレビュー.appでPDFを開いてみた。

モニター画面上の表示が一部オレンジかかっていて変な感じになっている。これを恐れずに、とりあえず印刷をしてみると、

システムの印刷ダイアログでのプレビューもオレンジの帯がかっていておかしな表示になっているが、あくまでもテストということで進めてみた。

あっさり印刷できた。希望のモノクロ印刷で……。プレビュー.appのほうがGoogle Chrome.appよりいくぶん工程が少ないから良いかも。どっちのアプリが良いかはユーザー次第ぐらいの差である。

目的である〝PDFを一部印刷落ちすることなくモノクロ印刷する〟は達成できた

しかし、Adobe Acrobat DCでの一部印刷抜けの原因はわからずじまい……。今回の検証を行った結果、「これが原因かも……」と思うことがいくつかあった。ただ、まだハッキリしないが、現在、若干であった一部印刷を落ちするPDFを抜け落ちないでモノクロ印刷はできるようになった。

ちなみにAcrobat Reader DCならどうなのだろうか。Mac環境ではAcrobat DCが先にインストールしているため、Readerは入れていない。Parallels DesktopのWindoes10にReader DCがインストールしているので試してみた。

PDFを開いた感じでは、Acrobat DCと変わりはない。印刷ダイアログはどうかというと……

こちらも変わりない感じ。これで印刷してみるとどうなるのか……

普通にモノクロで印刷できた。やはり問題はAcrobat DCの方なのか……。

こうなるとReader DCをインストールしたいとなとも思うが、PDFを扱う業務には閲覧&印刷だけの業務と閲覧&加工や制作する業務があり、閲覧&加工や制作する業務にはAcrobat DCが必要なため、Reader DCをインストールして不具合が生じることは大NGである。そのため、自分の環境ではAcrobat DCとReader DCを共存というリスクは考えられない。また、Parallels DesktopからWindoes10をわざわざ立ち上げ、Reader DCで印刷するのは非常に面倒だ。

これらもろもろの観点から、当面はプレビュー.appかGoogle Chrome.appで印刷するほうが欠落した印刷からも解放されストレスもなく快適だ。

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